「ダイヤ街商店街」にひっそりとたたずむ書店兼出版社の「小鳥書房」には、「たったひとり」のために厳選された本のほか、雑貨や焼き菓子などが所狭しと並び、自由度の高い空間が広がる。各棚に複数の棚主が商品を出品する「シェア型書店」で「街に開かれた本屋」として、さまざまな人と人、人と物をつなぐ場として機能している点が魅力的だ。壁面には貸し展示スペースがあり、個性豊かなアートが並ぶ。
店内には、小さなカフェスペースもあり、本を読む人のためのコーヒー「良夜ブレンド」(500円、以下全て税込み)や、福岡の農家が営む「椛島氷菓」のアイスキャンデー(200円から)なども販売。たとえ本を購入しなくとも、気軽に立ち寄りたくなる仕掛けが整っている。
月に1、2回はビールやウイスキーをたしなみつつ、語り合えるイベント「本屋BAR良夜」も開催しており、ひと味違った時間が味わえる。
本屋として開業する際、商店街の人々から背中を押してもらったという、店主兼編集者の落合加依子。今後は50年続く本屋を目指し、「この場を通して谷保に恩返しができたら」と語る。