吉祥寺駅から徒歩1分、1974年創業の老舗で黒毛和牛専門の精肉店。都内有数の激戦区で、店の入れ替わりも激しい吉祥寺で、不動のポジションを保っている。オーナー自らが目利きした国産の黒毛和牛を一頭買いし、量り売りを行っている。品質の高さで精肉部門のリピーターも多いが、店内で作って売っている『激うまコロッケ』や『牛(うし)かつ』『豚かつ』『自家製焼き豚』などの加工食品も人気がある。
中でも大ヒット商品は揚げたてを販売する『元祖丸メンチカツ』(240円/5個以上買うと1個220円)だ。テニスボールほどの大きいメンチカツで、サクサクの衣にかぶりつくと、ジューシーな肉汁と一緒にスパイスの香り、玉ねぎの甘み、牛肉の濃厚なうま味が口いっぱいに広がる。一度味わうと中毒になりそうなおいしさだ。このメンチカツを求めて、道を挟んで対岸にあるコピス吉祥寺にまで長蛇の列ができるのは、吉祥寺の名物風景だ。
吉祥寺の住民はもちろん、遠方や近年では海外からの観光客にもファンが多く、東京のみならず日本を代表するお肉屋の一つと言っても過言ではないだろう。平日午前中はメンチカツの列がさほど長くないので、どうしても食べたい人は狙いめだ。
テキスト:浅野 陽子(フードライター)