2017年、梅田から徒歩圏内にある下町エリアの中津に「IMA:ZINE」がオープンし、大阪のアパレル界に一陣の風が吹いた。単なる「セレクトショップ」ではなく、「編集」の観点から設計された、新しい空間が広がる。
今はその役目を終え休刊となってしまったが、長らく関西のストリートカルチャーをけん引してきた大阪発の雑誌「カジカジ」の元編集長が、店のオーナー。「今」「(マガ)ジン」から成り立っている、店名にも納得である。
「伝えるべき今を僕らの眼で選び抜き、新しい価値観を創造します」と語る通り、店内にはアーティストやデザイナーとのつながりやものづくりのプロセスを重要視したコラボレーション商品が並ぶ。「THE UNION」や「BOKU HA TANOSII」など、エッジとユーモアのきいた大阪発のブランドに触れたいなら、足を運ばない理由はない。
ロサンゼルスのシルバーレイクにあるセレクトショップ「Virgil Normal」のCharlie Stauntonが作成したというロゴが目印のIMA:ZINEオリジナル商品にも要注目。こだわり抜いた生地と構造、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインのシャツなどは、新たな日常着として取り入れたい。
2階のオルタナティブスペースは、写真家の名越啓介の個展を開催するなどギャラリーとしても機能。それだけでなく、ワークショップ会場や撮影スタジオにも変貌する。1階の奥にはZINEなどの販売も行うアートウォールもあり、まさに「今」を切り取る新感覚のアパレルショップだ。