手塚治虫をはじめ、日本を代表する漫画家たちが青春時代を過ごした2階建ての木造アパート「トキワ荘」を再現した施設。1952年12月に棟上げされたトキワ荘は、老朽化のため1982年12月に取り壊されてしまったが、2020年7月、その再現施設である「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」が南長崎花咲公園内に誕生した。
同ミュージアムでは、アパートの大きさから外観、共同炊事場、トイレ、そして何人かの漫画家の部屋までを、当時実際に住んでいた漫画家の先生に話を聞きながらできるだけ忠実に再現。例えば、2階へと上がる階段は、当時の雰囲気を出すために「みしっ、みしっ」というきしみ音が出る設計になっている。
足を踏み入れれば、そこはまさに昭和20〜30年代の漫画家たちが生活を送っていたあの伝説のアパート。誰かが原稿を落としそうになったら互いに助け合っていたなんて話も聞いたが、彼らのにぎやかな笑い声が今にも聞こえてきそうだ。