竹内栖鳳(たけうち・せいほう)の『班猫』(重要文化財)を中心に、近現代の日本画家が手がけた動物をテーマにした展覧会が山種美術館で開催。
近代京都画壇をけん引した日本画家、竹内栖鳳はその描写力から動物画の名手として高く評価され、1924(大正13)年制作の『班猫』は画家の代表作として知られている。静岡県沼津の八百屋で偶然出会った猫の姿に北宋の皇帝、徽宗が描いたとされる『猫図』の猫を重ねて丹念に観察、本作品を制作させたという話はよく知られている。
本展ではこの『班猫』など動物を描いた竹内の作品17点のほか、橋本関雪、上村松篁(うえむら・しょうこう)、さらに東京画壇を代表する小林古径らの動物画を一堂に展示する。
また、会期中は併設展示として、昭和から平成にかけて活躍した歴史画の第一人者、守屋多々志(もりや・ただし)による『西教伝来絵巻』も特別公開。同作品は2019年11月のローマ教皇来日を記念してバチカンに献呈されるもので、献呈前に日本初公開となる。
『班猫』はモデルとなった猫と比べると、その目つきやしぐさなどが似ており、大変愛おしい。愛らしい動物を見て優しい気持ちになってみては。