布に針目を重ね糸と糸を紡ぐししゅうで生命の痕跡を刻み作品を制作するアーティスト、沖潤子の個展が開催される。
沖は、下絵を描かずにインスピレーションと感覚で作品を制作。本展では、「粛々と刺す」と表されるししゅうそのものに向き合い、ありのままのししゅうの姿をシンプルに見せることを試みる。「コロナ渦の混乱は、人々の価値観が変わることへ変換される可能性があると前向きに捉え、起きている出来事と歴史を結び付け、未来につなげることが必要だ」と語る彼女は、今回の展示を新たな始まりとし、ししゅうの原点に立ち返った作品10点を発表する。
絡み合う糸一本一本に込められた思いを感じ取ってみては。