東洋的な独特の色彩感覚と、時代に左右されない造形力を持つ近代芸術の巨匠、山口薫の作品展が開催される。
群馬県で生まれた山口は、東京美術学校(現東京藝術大学)を卒業後パリに留学し、帰国後に自由美術家協会とモダンアート協会を設立。サンパウロやベネチアの美術展にも出展するなど、戦前戦後の日本の美術界で大きな役割を果たした。東京藝術大学で教壇に立ち、多くの後進に影響を与えたことも偉大な功績だ。
本展では、山口が1930~60年代に描いた作品を展示。牛や少女など代表的なモチーフの作品が並ぶ。没後50年を過ぎた今でもファンを魅了し続ける、詩情に富んだ絵画を目に焼き付けよう。