イタリア文学の最大の古典と称される『神曲』に現代的な解釈を加え、平面と立体を通して表現した千葉和成の展覧会が、市ヶ谷にあるギャラリーで開催。2012年の岡本敏子賞受賞以降、ほとんど発表せずにその時間をひたすら制作に当て、20年近くを費やして作り上げた『神曲』の地獄編、煉獄(れんごく)編、天国編が一堂に会す、迫力ある展示となっている。
千葉の表現する『神曲』は彼自身がテレビや新聞、インターネットなどで調べた事件、事故、またそこから考えられる現代の人間の愚かさ、政治的な不義、人間中心主義がまかり通る社会に対する不満が現れている。そういった葛藤を抱きながら、ダンテのように地獄、煉獄、天国を旅してみてほしい。