大正から昭和にかけて鳥瞰図のスタイルで数多くの名所案内を描いた美術家・吉田初三郎の展覧会が開催。10点以上の大型肉筆鳥瞰(ちょうかん)図をはじめ、ポスターや絵はがき、絵画作品などを通じて吉田作品の魅力に迫る。
京都生まれの吉田は、関西美術学院で洋画を学んだのち、鉄道沿線の名所案内などを描く商業美術家としての名声を得るようになった。「初三郎式」と呼ばれる鳥瞰図は、実際の地形を正確に表現するものではなく、分かりやすく変幻自在の工夫が施された図として、鑑賞しながら絵の中を旅する気分になれる。
鉛筆での書き込みのある肉筆画や制作途中の校正刷りなど、実際の作品を鑑賞しながら制作の実態にも迫る構成は見応え十分だ。展示のほかに、学芸員による展覧会講座や親子鑑賞会、画家である館長と府中市美術館の俯瞰(ふかん)図を描くワークショップ(事前予約制)なども行われる。
絵画とともに旅行気分を味わってみては。
※10~17時(入場は16時30分まで)/休館日は月曜/料金は800円、学生400円、小・中学生200円、未就学児無料