ニューヨークのMoMAで開催されていた回顧展も記憶に新しい、ドイツ人フォトグラファーのヴォルフガング・ティルマンス。彼の作品を30数点保有するフォンダシオン ルイ・ヴィトンのコレクションから、選りすぐられた作品が、表参道の「エスパス ルイ・ヴィトン 東京」で楽しめる。
ティルマンスは、1980年代から身近な友人たちのスナップ写真などを雑誌「i-D」で発表。80年代後半以降は、肖像画、静物画、風景画といった伝統的なジャンルに立ち戻りつつも、コピー機での拡大印刷や暗室での抽象表現など、写真印刷技術の実験も行ってきた。同世代の若者やカルチャー、セクシャルマイノリティに目を向けた作品などで注目され、近年は社会問題へのアクションや音楽活動にも注力している。
ぜひ会場で、作品から放たれるメッセージを受け取ってほしい。