「東京国立博物館 表慶館」で、画家のワン・ヤンチェン(Wang Yancheng)による展覧会が開催される。中国・広東省で生まれ、パリ、ロンドン、香港を拠点に活動するワンは、彼の人生そのものを映し出すかのようなエネルギッシュな絵画を世界各地で発表してきた。
絵画の構造、色彩、技法について深い理解を深めてきたワンは、中国の伝統的な表現技法である工筆画をほうふつとさせる細密なタッチと、ロマン主義のような叙情的な大きなストロークを組み合わせる。試行錯誤しながら画面に生まれる偶然の美しさを捉えようとする行為は、人生の不確実性を讃えているかのようだ。
日本では初の大規模展覧会となる本展では、新作のほか、未発表作品も展示される。まとまった数の絵画から、人生観や自然への愛情、そして文化を超えた普遍的なメッセージを感じ取り、ワンの豊かな表現世界を存分に堪能してほしい。
※9時30分~17時00分(9月9日は12時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(9月9日は開館)/1,500円、学生無料(ただし入場料は必要)、高校生以下無料