フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)が生み出した膨大な数の作品がどのように保管・継承され、現代まで伝えられてきたのか。ゴッホの家族によって受け継がれてきたコレクションに焦点を当てた展覧会が開催される。
会場では、初期から晩年までの代表作を含む30点以上の絵画に加え、日本初公開となる貴重な手紙4通も展示される。これらの作品は、画商として兄フィンセントの活動を支えた弟、テオドルス・ファン・ゴッホ(Theodorus van Gogh)によって管理されていたものだ。
テオの死後、作品の管理を引き継いだのは妻のヨハンナ・ファン・ゴッホ=ボンゲル(Johanna van Gogh-Bonger)。彼女は回顧展の開催や、テオとの往復書簡の出版などを通して、義兄フィンセントの芸術的価値を世に広めることに尽力した。
ヨハンナの死後は、テオとヨハンナの息子であるフィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh)がコレクションを受け継ぎ、フィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立。作品の散逸を防ぎ、その保存と公開に力を注いだ。
ゴッホの芸術は、家族の献身的な努力によって守られ、100年以上を経た今もなお、多くの人々の心を打ち続けている。本展は、作品の魅力だけでなく、それを支えた家族の思いにも触れられる貴重な機会となるだろう。
※9時30分~17時30分(金曜は20時まで)/入場は閉館の30分前まで