六本木のギャラリー「スカイ ピラミデ」で、ニューヨーク在住のアーティスト、トニー・アウスラー(Tony Oursler)の個展「Transmission」が開催。テクノロジーやメディアがいかに人々の心理に影響を及ぼしているかを、絵画・立体・ビデオインスタレーション・パフォーマンスなどの表現によって示してきた、アウスラーのこれまでのキャリアを俯瞰(ふかん)する。
アウスラーは、創造性・テクノロジー・サイエンスフィクション・ポップカルチャーの要素を組み合わせ、既存の信念体系を揺るがすことで、不安や恐怖を引き起こす「不気味なもの」などをテーマに作品を作り続けている。作品は、時にユーモアを交えてメディアを批判し、心理的に不安を与えると同時に詩的に心を揺さぶる没入型の環境を作り出す。
また、「映像イメージを箱型のテレビから解放した」アーティストの一人でもある。映像プロジェクションと彫刻が合わさった『Blue Mood』(1992年)では、人形の頭部だけが映像プロジェクションで映し出され、人を驚かせる魔法のような体験を与えている。
テクノロジーに向けた新たな創造への道筋を指し示すアウスラーのまなざしを感じてほしい。
※12〜18時/休館日は日〜水曜・祝日/入場は無料