六本木「complex665」内のアートギャラリー「シュウゴアーツ」で、写真家の米田知子による個展「氷晶」が開催。ロンドンを拠点に活動する米田は、20世紀のイデオロギーをテーマに、徹底した対象へのリサーチを重ね作品へと昇華させる作家だ。
本展では、2013年から10年間にわたり、フィンランドの凍てつく寒さの中で撮影された「氷晶」シリーズなどを展示。米田が自然界のはかなくも雄大な存在にフォーカスする。我々人間が、自然という制御できない大きな一体感の中にいる、小さな存在であることを示唆する作品群で構成されている。
自然現象は荘厳であり、存在し続ける生のエネルギーの本質の象徴だと述べる米田は、厳冬の凍てつく夜に自然が描く氷の模様を「予期なく現れる偶発的ドローイング」と表現する。また、展覧会最終日の2024年2月24日(土)17時からは、作家も在廊しクロージング・レセプション・パーティが行われる。一年で最も寒さが厳しいこの季節にふさわしい展示だろう。