「根津美術館」で、2024年新たに国の重要文化財に指定された「百草蒔絵薬箪笥」(ひゃくそうまきえくすりたんす)に焦点を当てた展示を開催。蒔絵(まきえ)史や薬学史など、さまざまな観点から貴重な作例である本作の全容を紹介する。
江戸時代中期から後期に活躍した蒔絵師の飯塚桃葉(いいづか・とうよう、?~1790年)が制作し、贅を尽くした大名道具である百草蒔絵薬箪笥。ふたの裏には、100種の草や昆虫がその名称とともに精密な研出蒔絵(とぎだしまきえ)で表され、かつ、「銀製合子(ぎんせいごうす)」をはじめ数多くの充実した内容品も収められていた。
また、徳島藩主・蜂須賀家に伝来した本作の制作背景を、18世紀後半の博物学と美術の様相の中に探るとともに、飯塚の代表作もまとめて紹介する。めったに見られないこの機会を見逃さないでほしい。
なお、チケットはオンライン日時指定予約制だ。
※10~17時(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金はオンライン予約1,500円、学生1,200円、中学生以下無料