「うらわ美術館」で、「新版画」を世に送り出した版元・渡邊庄三郎(1885〜1962年)を特集する展示が開催。近年、再び注目を浴びている新版画のモダンな精神と、みずみずしい表現に彩られた世界を堪能できる。
庄三郎は、高度な彫りの技術や特有の美しさを持つ伝統的な浮世絵木版画(錦絵)の技能と、当時の新しい絵画表現との融合を目指した人物だ。
1909年、庄三郎は東京・京橋に渡邊版画店(現・渡邊木版美術画舗)を構え、浮世絵の研究や販売を行う。同時に、鏑木清方(かぶらき・きよかた、1878〜1972年)ら新進気鋭の画家たちを絵師として起用し、新たな浮世絵木版画となる新版画を誕生させた。
本展は、残存数が少ない貴重な初摺(しょずり)の渡邊版を出品。また、日本人画家として新版画第一作を制作した橋口五葉による装丁本なども展示する。ぜひ、足を運んでほしい。
※10〜17時(金・土曜は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は620円、学生410円、小・中学生200円