2024年7月3日、20年ぶりにデザインが刷新された日本の紙幣。千円札には「グレートウェーブ」の名前で世界的に知られる浮世絵師、葛飾北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が採用された。
本展では、作品が誕生した背景をはじめ、図柄がどのように広がり、現代までいかに長く愛されてきたかという歴史をたどりながら、世界的な名作の魅力を知ることができる。数え年で19歳の頃から絵師として活動していた北斎だが、冨嶽三十六景を描いたのは、なんと70代の時だった。
20代で「浮絵(うきえ)」と呼ばれる遠近感を強調した浮世絵を数多く描き、40代では「洋風風景版画」を制作していた北斎。冨嶽三十六景が世に出ると瞬く間に人気となり、同時代の絵師が影響を受けて描いた浮世絵が多数登場したという。たった一つの名作を軸にした歴史の変遷が興味深い展覧会だ。
※9時30分~17時30分(入館は17時まで)/休館日は月曜(7月15日・8月12日は開館、7月16日・8月13日は休館)/料金は1,500円、学生・65歳以上1,000円、中学生500円、小学生以下無料