先史芸術や民族芸術、文化人類学の学説のリサーチをベースに、身の回りの素材を用いて彫刻作品を制作している久保寛子による「ハイヌウェレの彫像」を、「象の鼻パーク」で展示。ハイヌウェレとは、インドネシアの神話に登場する女神で、殺されたその体から食物が生まれたとされている。
同作の構想を始めたのは2020年。久保は、新型コロナウイルスの影響で社会や人類の未来に不安を感じるようになり、その不安によって、自身の関心をより根源的、原始的なものへ向けさせ、世界の古代神話や縄文土器、土偶をはじめとした日本の考古学に創作のヒントを求めた。
作品の表面に使用しているのは土。仰向けに寝そべる断片化された女性像は、雨や日光、風の影響を受けて時間とともに変化する。作品が生み出す空間や土の表情を体感しよう。
4月13日(土)と14日(日)は公開制作。13日は一般市民も作品制作の体験ができるワークショップを実施。展示最終日の4月29日(月)は、久保寛子と神話学を専門とする平藤喜久子の対談によるアーティストトークを開催する。