「小山登美夫ギャラリー京橋」で、倉田悟の個展が開催。最新の世界観が広がる新作を披露する。
倉田の以前のモチーフは夕暮れ・海・夜・車・卵・犬・寝るなど、その多くが記憶を元に想像したものであった。新作では、描かれるものが大きく変化し、アトリエや自宅の中、日々目にする人や植物・自然・動物・昼間の光景も具体的な絵の対象として描かれている。
新作『あさをまつよる』は、アトリエで横になっている自画像だ。背景にある多肉植物は実際に育てているもので、画中画は以前の倉田自身の作品。「待つ」という行為に希望や何らかの思いもなく、ただ「待つ」という状態の特殊性と重要さを表している。
もう一点の新作『よるのきのなか』は、近所の雑木林の絵だ。当初は明るい昼間の林を歩く2人の人物を描こうとしていたが、制作しているうちに夜の林へと変化し、3人の人物が現れたという。
不穏さがありながらも、どこかユーモアがある作品世界を堪能してほしい。
※11〜19時/休館日は日・月曜・祝日/入場は無料