国内外から⾼い評価を得る写真家・野⼝⾥佳の個展が「東京都写真美術館」で開催されている。野⼝はこれまで、写真として切り取ることで浮かび上がる⽇常の神秘をカメラに収めてきた。ベルリンのバスの⾞窓から流れる夜の⾵景を撮影した映像作品 「夜の星へ(2014)」「潜る⼈(1995)」のほか、⾵に揺らぐ葉の動きの不思議を切り取った「ヤシの⽊(2022)」など、過去から現在までの作品を網羅的に鑑賞できる構成だ。
特に「⽗のアルバム(2014)」では⽗の遺したネガを野⼝がプリントすることで、彼の視線を追うことができるその幸せな瞬間を写真の持つ⼒で伝えようと試みている。写真作品のほか、映像作品やドローイングも展⽰される本展を訪れ、野⼝の⾒る「不思議な⼒」を感じてみては。