「タカ・イシイギャラリー」で、畠山直哉の個展「津波の木」が開催。会場では、2024年の写真集『津波の木』から10点、2021年から2022年にかけて高知県で撮影された新作『Kochi』から30点を展示する。
畠山は、2011年の東日本大震災における津波で実家と母親を亡くしてから、故郷の陸前高田の変わりゆく様子を写真に収めてきた。2018年から撮影された作品群『津波の木』は、さまざまな形で震災の影響を受けた樹木や風景を記録した写真集だ。写し出された木々には、時に不動の存在として崇められ、時に利用される木々と人間の関係性や、震災時から経過した時間が描き出されている。
また、『Kochi』からは津波避難タワーを被写体とした作品が出展され、タワー群が救済の場としてそびえ立つ一方で、その周囲の風景が失われてしまう時を静かに予示する姿を捉えている。
自然・都市・写真の関わり合いを重んじ、精密に作り上げられながら、豊かな詩情を持つ畠山の作品。じっくりと堪能してほしい。
※12〜19時/休館日は日・月曜・祝日/入場は無料