アール・ブリュットの先駆け者である都築響一が、日本各地で追い続けてきた「おかんアート」の展覧会が開催される。本展でいう「おかん」というのは、ひもや軍手、ボタンなど、捨てずに取っておいた日用品を材料にして新しいものを創造する感覚を持った作り手のことだ。
会場には、大小合わせた1000点以上の「おかんアート」と制作者たちの姿を映した写真が登場する。特別展示として行われる、日常的な廃材を使って自身の働く劇場の装飾を制作する荻野ユキ子、コロナ禍のステイホーム期間に作った新聞紙バッグがSNSで話題を呼んだ嶋暎子、広告チラシにイラストや刺しゅうを施し「チラシ箱」を生み出す野村知広による『おかん宇宙のはぐれ星』展も、ぜひチェックしたい。
専門的な美術教育を受けていない作り手たちの、自由な発想や表現方法に注目してみては。