新たなアートエリアとして注目を浴びる北加賀屋にある、現代美術作家の森村泰昌による作品を常設展示するミュージアム。企画展の会期のみオープンする小さな美術館だが、関西ひいては日本を代表するアーティストである森村の有名作品だけでなく、さまざまな作品が観られる貴重な施設である。
「モナ・リザ」などの著名な西洋絵画になりきるセルフポートレート作品などで名を知られる森村は、「京都市立芸術大学」を卒業後、同大学でアーネスト・サトウのアシスタントを務めるなど、1980年代ごろから盛り上がりを見せた関西アートシーンにとっても重要な作家の一人だ。
大阪市出身の森村が満を持してオープンさせた「モリムラ@ミュージアム(morimura@museum)」では2つの展示室のほか、ミニシアターやサロン、ショップなどが併設。センセーショナルなだけではない、森村作品を支える深い洞察や丁寧なリサーチがうかがい知れる。
日当たりのいいサロンには、森村自身による著書や展覧会カタログなどを収蔵するライブラリーもあり、モリムラ芸術について深く学ぶことができる施設となっている。