現代アートを展示する「天空の美術館」として2003年10月にオープンした「森美術館」。開館20周年を記念した本展は、学校で習う教科を現代アートの入口とし、見たことのない、知らなかった世界に、多様な観点から出会う試みがテーマだ。
1990年代以降、現代アートはもはや、学校の授業で考える図画工作や美術といった枠組みを遙かに越え、国語、算数、理科、社会など、あらゆる科目に通底する総合的な領域、と捉えるべきものに変化。現代アーティストたちが、私たちの固定観念をクリエイティブに越えていこうとする姿勢は、「わからない」の探求であり、未知の世界に出会い学ぶ「世界の教室」とも言える。
あらゆる年齢、地域、国々の人びとに、開かれた美術館であることを目指した同館。節目となる特別な企画展を大いに楽しみたい。