実業家の松岡清次郎が収集した美術品の個人コレクションを展示公開するため、1975(昭和50)年に設立された「松岡美術館」。約130もの近代西洋絵画コレクションから、モネ、ルノワールをはじめとするフランス印象派、新印象派の絵画が、2017年以来6年ぶりに一堂に展示される。
本展では、パステルで描かれた柔らかな表現が美しい、ルノワール「リュシアン・ドーデの肖像」や、モネの初期の名作「サン=タドレスの断崖」のほか、新印象派の作家、ポール・シニャック(Paul Signac)、アンリ・マルタン(Henri Martin)、アンリ=エドモン・クロス(Henri-Edmond Cross)など、多彩な作品群が楽しめる。自らの審美眼をもとにコレクションした松岡の美学が垣間見える構成だ。
企画展とともに、江戸時代の陶磁器に焦点を当てた「江戸の陶磁器 古伊万里展」も同時開催。常設展示されている古代ローマ彫刻、古代エジプト美術、またヘンリー・ムーア(Henry Moore)らの近現代彫刻なども楽しんでほしい。