野又穫(のまた・みのる)は、近年、イギリスの有力ギャラリー「ホワイト・キューブ」に所属が決まるなど、急速に海外での評価が高まっている作家だ。そんな野又の初期から最新作までを網羅的に紹介する個展が「東京オペラシティ アートギャラリー」で開催。同館が所蔵する作品群は、1980年代から毎年のように作品を収集してきたコレクター・寺田小太郎が寄贈したもので、40点余りと国内有数だ。
野又は、「東京藝術大学」でデザインを学び、広告代理店でアートディレクターとして勤務するかたわら、「佐賀町エキジビット・スペース」などでも個展を行っており、その後作家活動に専念することになった。長らく「知る人ぞ知る」作家として熱心なファンの注目を集めてきた。
「架空の光景」と一言で片付けることのできない、現実と地続きにある非現実とでもいうべき独特な作品世界を、ぜひ展示室で堪能したい。