20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス。それまで伝統だった写実絵画と異なり、色彩そのものが独自の構成要素となり得ることを示した「帽子の女」(1905年)は、前衛芸術の展覧会「サロン・ドートンヌ」で発表され、批評家によって「フォーヴ(野獣)」と評された。
20代で法律家から画家の道に転向し、油彩画、彫刻、ドローイング、そして切り紙絵や建築に至るまで、84年の生涯を通して色彩とフォルムへの関心を持ち続け、感覚を頼りにその力を追究した。
世界有数のマティス・コレクションを有するフランスの「ポンピドゥー・センター」から、約150点もの作品が来日する本展。マティスの作品だけで構成される、豪華かつ貴重な機会だ。