日本国内初となる深瀬昌久の大回顧展が「東京都写真美術館」で開催中。深瀬は「ニューヨーク近代美術館」での企画展「New Japanese Photography」を皮切りに、世界各国で作品を発表、1960〜70年代の日本写真界を切り拓いた写真家だ。
本展は全8章、117点もの作品と当時の雑誌資料などで構成されている。妻や家族などの身近な存在にカメラを向け続け、自身のプライベートを晒すような作品群は、のちに「私写真」と呼ばれ、後の写真家たちが目指す表現へとつながった。
被写体に対する愛ある眼差しとユーモラスな軽やかさを混在させながら、唯一無二の表現へ昇華させた深瀬の歩みを辿れば、自らの日常の見え方も変わるかもしれない。