「ギャラリー小柳」で、マーク・マンダース(Mark Manders)による個展「Silent Studio」が開催。ギャラリーの空間を半透明の薄いビニールで囲ってアーティストのスタジオに一変させ、新作を含む9点を公開する。
マンダースは、彫刻や家具、日用品や建築部材などを「想像上の」部屋に、緻密に練られた配置図に基づいて配するインスタレーションを制作してきた。展示空間の中央には、『Bonewhite Clay Head with Two Ropes』(2018〜2024年)を設置。作業台の上に置かれた乾燥してひび割れたかのような彫刻は、ロープで留められ、今にも崩れそうな緊張感を与える。
これらの作品がスタジオに設えられることで、作業の途中であるかのような印象をもたらし、静かなスタジオに作家がそれまでいたかのような、あるいは長い間放置されたかのように感じさせるだろう。はかなさが漂う彫刻は、ブロンズなどで強固に作られており、まさに一つの瞬間が凍結したかのようだ。
作品が醸し出す、詩的な空間をじっくりと味わってほしい。
※12〜19時/休館日は日・月曜・祝日/入場は無料