「府中市美術館」で、現代の日本において、風景画の可能性を広げている一人である小西真奈の個展が開催。美術館での初の大規模個展となる本展では、2000年代の代表作を精選し、近作と新作を含めた絵画約100点たっぷりと展示する。
アメリカ東海岸の美術大学で学んだ小西は、2006年に若手作家の登竜門である「VOCA賞」を受賞。雄大な景観を大画面に収め、隈までしっかりと描きこんだ理知的な絵画は、広く人気を得た。感情を抑えた描写は写真にも似てどこか懐かしさを感じさせ、穏やかに人々の記憶に語りかける。
コロナ禍での小西は、公園や温室、小川の風景を描いた。対象との距離は縮まり、筆運びは即興的でおおらかになり、色は感覚的に選ばれる。鑑賞者の緊張を解くような、軽やかさと優しさが魅力だ。
どこででもあり、どこででもない場所を描いた小西の風景画をじっくりと堪能してほしい。
※10〜17時(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は800円、学生400円、小・中学生200円、未就学児無料