前衛芸術家の草間彌生が設立した唯一の個人ミュージアム「草間彌生美術館」。年2回の展覧会を通じて草間作品を紹介しているが、今回は初期から現在に至るまでの代表的なシリーズを通して、その特徴的な色彩表現の変遷に注目する。
1949年に制作された初期の代表作「残夢」では、暗くも夢幻的な色彩が見られる一方、1970年代には小型作品のコラージュやドローイングなどで詩情豊かな色彩が見られるようになり、網の絵画では地色と描線のコントラストのバリエーションを創出していく。
近年の作品では、原色あふれる楽観的で希望に満ちた絵画から、黒を多用し自殺を思わせるものまで、多様な色彩表現も見られる。内面世界の明暗を映すかのような、精力的に創作を続ける草間の最新作品を堪能しよう。
なお入場は日時指定の完全予約・定員制のため、事前に公式ウェブサイトでの予約を忘れずに。