1. くまもとの絶景―知られざる日本最長画巻「領内名勝図巻」―
    熊本県指定重要文化財 衛藤良行「領内名勝図巻 上益城郡矢部手永之内」(部分) 寛政5年(1793) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)
  2. くまもとの絶景―知られざる日本最長画巻「領内名勝図巻」―
    熊本県指定重要文化財 矢野良勝「領内名勝図巻 阿蘇郡北里之内 杖立川路越之図」(部分) 寛政5年(1793) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)
  3. くまもとの絶景―知られざる日本最長画巻「領内名勝図巻」―
    熊本県指定重要文化財 衛藤良行「領内名勝図巻 上益城郡矢部手永之内」(部分) 寛政5年(1793) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)
  4. くまもとの絶景―知られざる日本最長画巻「領内名勝図巻」―
    熊本県指定重要文化財 衛藤良行「領内名勝図巻 芦北郡田浦佐敷湯浦手永之内」(部分) 寛政5年(1793) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)

くまもとの絶景―知られざる日本最長画巻「領内名勝図巻」―

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タイムアウトレビュー

「永青文庫」で、熊本県指定重要文化財の『領内名勝図巻』に焦点を当てた「くまもとの絶景―知られざる日本最長画巻『領内名勝図巻』―」が開催される。

『領内名勝図巻』は、熊本藩のお抱え絵師・矢野良勝(やの・よしかつ、1760~1821年)と衛藤良行(えとう・よしゆき、1761~1823年)によって制作された。主に熊本領内の滝や名所、川沿いの風景などの絶景が全15巻にわたって描かれた作品で、写生図巻の先駆的作例だ。

巻物は縦約30センチほどの大きさが一般的だが、本作は約60センチあり、大迫力のパノラマが展開。全巻の長さの合計は400メートルにも及ぶ。これほどまで長大で迫力に富んだ作品は類がなく、日本最長の画巻と見られ、そのスケールの大きさを実感できるだろう。

矢野と衛藤は名所や絶景ポイントを実際に訪れ、この実景図を描いた。会場では、現存14巻の中からえりすぐりの7巻を通して、本作の迫真の風景描写や制作背景を、現地写真とともに紹介。比較すると、絵師たちが滝や奇岩の特徴をよく捉えていることが分かる。とりわけ滝の描写は、その流れ落ちる音が聞こえてきそうなほど圧巻だ。

また画面には、洞窟を探検する一行の姿や温泉で体を癒やす人々といった、ごく小さな人物が描きこまれている。現地を取材した絵師たちの姿と重なり、鑑賞者を画巻の世界へと誘い込むだろう。

豊かな水と緑をたたえる熊本の大自然が広がる本作。旅人になった気分で楽しんでほしい。

※10時〜16時30分(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(5月5日は開館)、5月7日/料金は1,000円、70歳以上800円、学生500円、中学生以下無料

詳細

イベントのウェブサイト
www.eiseibunko.com/exhibition.html#2025shoka
住所
永青文庫
東京都文京区目白台1-1-1
Tokyo
アクセス
JR『目白』駅「目白駅前」バス停から都営バス「白61 新宿駅西口」行きで「目白台三丁目」下車 徒歩5分/東京メトロ有楽町線『江戸川橋』駅(1a出口)徒歩15分

イベント詳細

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