六本木の「ユミコ チバ アソシエイツ」で、「木下佳通代、沢居曜子、辰野登恵子|70年代-不毛なもの、その先に」が開催。女性の社会進出がいまだ困難だった1970年代に、時代を先駆け、コンセプチュアルな表現に取り組んだ3人の女性アーティストたち、木下佳通代(1939〜1994年)、沢居曜子(1949年〜)、辰野登恵子(1950〜2014年)に焦点を当てる。
木下は写真を用いながら、平面上で実像の不確かさを問い、「見ること」について鑑賞者に気づきを与える作品を多様に展開した。沢居は、角材・鉛板・蛍光管・新聞紙などの異質なもの同士の出合いによって、空間を変容させる展示をいくつも手がけた。そして、辰野は版画によるさまざまな表現に取り組み、当時新しい技術だったシルクスクリーンにフリーハンドの線を加えるなどして、独自の表現を生み出した。
男性の批評家とアーティストたちが多数を占めていた当時の現代美術シーンの中で、出会い、時に連帯し、励まし合った彼女たち。実験的で独創的な作品世界を体感してほしい。
※12〜19時/休館日は日・月曜・祝日/入場は無料