南青山の「根津美術館」が、毎年この時期にだけ展示する「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」。江戸中期に活躍した尾形光琳(1658〜1716年)の筆による国宝で、リズミカルに描かれたカキツバタと余白のバランスが美しい。
本展は、「燕子花図屏風」に見る装飾性、日本古来の美術工芸品における意匠と絵画の関係性、そして和歌や物語などの文学世界を象徴的に表現した点などに着目し、デザインの観点から日本美術を読み解く。
会期中は、敷地内の庭園に咲くカキツバタの群生を鑑賞できる季節でもある。都心とは思えないほど広大で緑豊かな庭園には、歴史的建造物の茶室や池を散策できる遊歩道が整備されている。景色を楽しみながらくつろげる「ネヅカフェ(NEZUCAFÉ)」の利用もおすすめだ。日常の喧騒(けんそう)を離れ、五感で存分に展覧会を味わってほしい。
なお、チケットはオンライン日時指定予約制となるため、事前に公式サイトで確認しよう。