近年、昭和モダンのアーティストとして再評価の機運が高まるモザイク作家・板谷梅樹(いたや・うめき)。彼の作品を中心に約90点を展示する、初めての本格的な回顧展が開催される。
近代陶芸界の巨匠・板谷波山(いたや・はざん、1872~1963年)の息子である梅樹は、父が砕いた陶片の美しさに魅了され、20代半ばの頃から陶片を活用したモザイク画の制作を志した。モザイク画とは、タイルや陶片などのかけらを寄せ合わせ、絵や模様を生み出すもの。19世紀末のアールヌーヴォーの流行とともに欧米から日本に伝わった技法である。
本展では、エキゾチックなモザイク額や美しい飾り箱、ペンダントヘッドなどの愛らしい装飾品を通して、梅樹の人となりに迫る。また、1954年に横浜市からの注文を受けて制作された、現存する最大の壁画作品『三井用水取入所風景』も必見だ。
※11~18時(金曜は19時まで)/入館は30分前まで/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は前売り(オンラインのみ)1,000円、大学・高校生700円/当日1,200円、大学・高校生800円、中学生以下無料