平安時代末期、相次ぐ戦乱や頻発する天災、疫病、貧困などで先の見通せない厳しい時代に、「『南無阿弥陀仏』ととなえれば救われる」、という教えを説き、浄土宗を開いた法然。後に鎌倉仏教の一大宗派となった浄土宗の美術と歴史を、鎌倉時代から江戸時代まで通覧する史上初の展覧会が開催される。
2024年に浄土宗開宗850年を迎えることを記念し、上野の「東京国立博物館 平成館」や、京都、九州に巡回する本展では、鎌倉時代に描かれた「早来迎(はやらいごう)」の通称で知られる国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図(あみだにじゅうごぼさつらいごうず)」をはじめ、多数の重要文化財が一堂に会する。
戦争、天災、疫病などと向き合い、人々の救済を目指した法然やその継承者たちの姿、そして数百年にわたって大切に守り伝えられてきた品々は、時代の転換期を生きる現代の私たちへもヒントを与えてくれるだろう。
※9時30分~17時(入場は閉場の30分前まで)/定休日は月曜(4月29日、5月6日は開館)、5月7日/料金は前売り1,900円、大学生1,100円、高校生700円/当日2,100円、大学生1,300円、高校生900円、中学生以下無料