「アーティゾン美術館」で、画家・硲伊之助(はざま・いのすけ、1895~1977年)の東京で初となる回顧展が開催。油彩画、版画、磁器など約60点の作品と資料をはじめ、硲と関わりのある同館の西洋絵画コレクション約15点を展示し、初期から晩年までの多様な側面を紹介する。
硲は17歳で画壇にデビューし、二科賞を二度受賞するなどで活躍。1921年の渡欧でアンリ・マティス(Henri Matisse)と出会い、教えを受ける。また、制作活動の傍ら、ギュスターヴ・クールベ(Gustave Courbet)、ポール・セザンヌ(Paul Cézanne)、ヴィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)などの画集編集や翻訳に携わるなど、西洋美術の紹介にも力を尽くした。1951年、師・マティスの日本初の展覧会実現においては、作家との交渉に携わる。
さらに、同館の収蔵作品であるマティスの『コリウール』やアンリ・ルソー(Henri Rousseau)の『イヴリー河岸』は、硲が自身の研究のために収集したものだ。
本展を通して、硲のさまざまな多才な姿を垣間見てほしい。
なお、同展チケットの料金で、同時開催の展覧会「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」「石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト」を全て鑑賞できる。予約枠に空きがあれば美術館窓口でもチケットが購入可能だ。
※10〜18時(金曜は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(5月5日は開館)、5月7日/料金はウェブ予約1,800円、窓口販売2,000円、学生無料(要ウェブ予約、中学生以下はウェブ予約不要)