初台の「東京オペラシティ アートギャラリー」で、スウェーデンを拠点に活動するガラス作家の山野アンダーソン陽子によるユニークな展覧会が開催中だ。
本展は、2013年にガラス作品のアートブック制作を提案された山野が、「Glass Tableware in Still Life(静物画のなかのガラス食器)」プロジェクトを開始したことがきっかけになっている。山野が声をかけたスウェーデン、ドイツ、日本で活動する画家たちに、自身が絵に描きたいと思うガラスを言葉で表現してもらい、その言葉に応答する形で山野が作品を制作する。
出来上がったガラス作品を画家が静物画に描き、写真家の三部正博が画家のアトリエで絵画とガラスの写真を撮影。デザイナーの須山悠里が書籍のかたちに仕上げたという。2023年11月から「広島市現代美術館」で開催した内容とは変わり、東京では、画家らと山野との対話に光を当てている。そこで交わされたやり取りやストーリーとともに、ガラス食器についての思考が展示される。