谷中のキッテ通りを一歩進み、ひっそりとした住宅街を抜けると、猫の像が鎮座するギャラリー猫町の入り口へとたどり着く。写真、絵画、陶芸、彫刻など、幅広い芸術品の展示を行っているものの、扱うモチーフは「猫」オンリーという個性的なギャラリーだ。
同ギャラリーがオープンしたのは今から20年前のこと。住宅街の一軒家をそのまま利用し、生活雑貨でも現代美術でもない「猫的生活美術」をテーマに掲げたギャラリーは、当時多くの人々に衝撃を与えたに違いない。しかしその美しいたたずまいと猫への愛はじわじわと人気を集め、その後、谷根千エリアに巻き起こる猫ブームの火付け役となった。
展示は2週間で入れ替わるが、どれも猫好きにはたまらない内容のものばかり。その愛らしさで人々を癒やすこともあれば、いたずら好きで人々を悩ませることもある、気まぐれな猫たちの魅力にぜひ触れてみてほしい。