1920年にフィンランド生まれたトム・オブ・フィンランド(Tom of Finland)は、ゲイアートの先駆者である。同性愛が厳しく罰せられた当時の社会的偏見に立ち向かい、70年代以降、世界的なゲイカルチャーの自由と誇りを象徴する存在となった。
フィンランドが描く男性像は筋肉質で自由奔放、そして官能的だ。それはゲイ男性の強さ・誇り・性の解放を強調しており、ゲイコミュニティに自信と自己表現の重要性を高め続けた。同時に、当時の社会がゲイ男性に押し付けてきた弱々しいイメージとは異なる「ゲイの男らしさ」を表現することで、そのイメージをポジティブな男性像へと一新させた。
1991年にフィンランドが亡くなった後も、トム・オブ・フィンランド財団が全てのエロティック・アートの社会的・文化的メリットを伝え続けている。
今回は作品展示だけでなく、フィンランドの世界に没入できるVR作品「TOM House the VR Experience」が日本初公開されるのも注目だ。
※11時30分~20時/料金は無料