浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849年)が、生涯のほとんどを過ごした「すみだ」に2016年にオープンしたのが「すみだ北斎美術館」だ。
多数の北斎作品を保存・収集し、そのコレクションを生かしたユニークな企画展を展開してきた同館。今回は、「歌舞音曲鑑(かぶおんぎょくかがみ)」と題して、江戸の芸能をモチーフにした作品群を、初展示も含め前後期合わせて約125点紹介する。
北斎は19歳で浮世絵師・勝川春章に入門し、その翌年から、芝居の役者絵を発表し、浮世絵師として踏み出した。絵師としてデビューしたばかりの頃の作品が、紹介される貴重な機会といえるだろう。
また北斎は、さまざまな芸能のお披露目会の招待状を手がけたり、「雀踊り」や「悪玉おどり」といったユニークな踊りを描いたりもしている。本展を通して、のちの北斎の画業につながる、新たな顔を知れるだろう。