タイムアウト東京 > トラベル > 東北アップデート > 東北アップデート:光を探して
新たな思い出作り
キクチカオリは自分の携帯電話の画面をスワイプして、木片の山と化したかつて暮らした家の写真を見つけ出した。新しい家を買う余裕はなく、2011年3月11日の津波に持ち物すべてを押し流されて以来、仮設住宅に住んでいるという。「 あの時は将来のことなどとても考えられなかったです」と彼女は言う。
その後、彼女は結婚し (夫とは避難所で出会った)、現在1歳になる息子のコーセイを産んだ。 2014年1月26日、彼女は家族といわきを旅して、津波で写真を失った家族がもう一度アルバムを作る手助けをするボランティア組織Photohokuのカメラマンに、家族のポートレートを撮ってもらった。キクチは、その写真が息子を初めて写したポートレートであり、Photohokuのグラフィックデザイナーとともに作り始めたそのアルバムが、彼女たち家族が持っている唯一のアルバムだと言う。