津波によって気仙沼の12の港のうち6つが破壊された。6000人の人口のうち100人以上が津波に流されて死亡した。「唐桑は30〜40年ぐらい前は、有名な観光地だった」と堀之内は語る。「ビーチはないけど、崖や岩が連なり、木々が海岸まで生い茂ったとても美しい場所だ」。彼は、アーティストとして、自分が唐桑にもう一度色彩を取り戻したいと願っているのを知っていた。
堀之内は東北に戻るための資金集めをしている最中、TokyoDexのディレクター、ダニエル・ローゼンと出会った。ローゼンもまた堀之内と同じように、自分のクリエイティビティを東北で役立てる方法を探していた。2013年4月、彼らはともに東北アーティストキャラバンプロジェクトを立ち上げた。「タイミングが良かった」とローゼンは語る。「人々がまだ何かしら東北のことを覚えていて、手伝える方法をいろいろ考えている時だった。基本的にここTokyoDexでやっているのはアート、音楽、アイデアに関することなので、東北のコミュニティに何か還元できる方法はないか模索していた。それから、あちこちにお願いして回った」。