ハルタホテリ シュティル
Photo: Kensuke Yamamoto複合施設「シュテイル(still)」
Photo: Kensuke Yamamoto

軽井沢のドライブインをリノベーション、3室限定のホテルがオープン

連載企画「軽井沢は東京24区?」、第7回はhaluta hotelli stillを紹介

寄稿:: Kensuke Yamamoto
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タイムアウト東京 > トラベル >軽井沢のドライブインをリノベーション、3室限定のホテルがオープン

東京駅から新幹線で1時間、昨今は移住者も増えている軽井沢。東京の延長線上で楽しめる、こなれたスポットを毎月紹介していこうと立ち上げた連載企画「軽井沢は東京24区?」。第7回は、軽井沢駅から車で西に15〜20分ほどの星野エリアの追分エリアにオープンしたホテル「ハルタホテリ シュティル(haluta hotelli still)」を紹介する。

軽井沢を拠点に北欧ビンテージを中心とした家具の輸入卸や住宅設計を手がけるほか、人気ベーカリーを営むhalutaが、国道18線号沿いで20年もの間、廃虚となっていたドライブインを改装して、2022年に複合施設「シュテイル(still)」としてオープンした。

このホテルは同建物の中に2023年9月1日にオープンしたばかり。さっそく宿泊してきたので、その魅力を紹介しよう。

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元々「ドライブイン軽井沢」という施設だった古い建物の躯体(くたい)のみを残し、フルリノベーションしたシュテイル。「北欧の暮らしが体験できる場」というコンセプトのもと、halutaの家具ショールームやレストラン、シェアオフィス、現代アートギャラリーが入居している。

今回オープンしたホテルは2階にあり、チェックインは1階のベーカリー「ハルタベーガリ(haluta bageri)」に設けられたカウンターで行う。

客室は3部屋のみで、それぞれ「Studio」「Terrace」「Grand Room」という異なるコンセプトが設定されている。

Studioは、定員2人ながら、ビンテージの北欧家具が配されたリビングと寝室のスペースが分かれた広々とした空間だ。軽井沢の澄んだ空気や窓からの景色がインテリアの雰囲気とシンクロして、北欧の空気感を思わせる。 

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Terraceのリビングからは美しい国有林を望むことができる。朝起きて、部屋に備え付けられているコーヒーをこの景色とともに味わうのも贅沢だ。

Grand Roomは最も大きな部屋で、窓からは蓼科山の雄大な風景が広がる。壁は左官、床はフローリングでオーガニックの塗料で仕上げられている。haluta代表の伊藤和澄によると同部屋は特におすすめで、「リアルにこの空間を体感してみてほしい」と語っていた。

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全部屋には広々としたバスタブも完備。Studioにはヒノキの浴槽があり、バスルームに入った瞬間に爽やかで落ち着いたの香りが漂う。この日はたまたま中秋の名月で、窓からのぞく満月が美しかった。

建物全体が、冬の寒さが厳しい北欧においてよく使用されている100自然由来の断熱材「ロックウール」で覆われており、どの部屋も、暖房なしで過ごせるように設計されている。

夏も冷房を使わず快適なのも同ホテルの魅力の一つ。エコフレンドリーな仕様で心地よく過ごせることは、今の時代のラグジュアリーではないだろうか。

北欧のやわらかなテイストの家具に囲まれた空間で、季節ごとの空気感を体験してみてほしい。

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夕食は、シュテイルの1階にある北欧エッセンスのレストラン「ヨード ワイ ファーム キッチン(JORD y farm kitchen)」で楽しめる(土・日曜日のみ営業、予約制)。軽井沢にある「柳沢農園」がプロデュースした店で、自家農園で採れた新鮮で安心な野菜を使ったメニューが並ぶ。そこで出た食品ロスはまた土に返すという、循環型レストランだ。

このほか、デンマークで修行経験のあるシェフ・鈴木夏暉が手がけた、軽井沢随一の予約困難店「レストラン ナズ(Restaurant Naz)」もほど近くにある。ナズで食事をする際の宿泊先として同ホテルを利用するのもいいオプションだろう。

また、15分ほど歩くが、がっつりとした和風ステーキが名物の「盛盛亭」もおすすめだ。

ベッドにはオーストリアの職人が全てハンドメイドで手がけた、馬のテールヘア100%のマットレスが使われている。前述の通り、通常のホテルと異なりシュティルは基本的に人工的な空調機能を使用しない。窓の外は森で、ナチュラルな空気の循環を五感で体験しながら贅沢な眠りにつくことができるだろう。

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朝食はハルタベーガリで提供。ベーカリーとしても軽井沢随一の人気を誇るhalutaのパンを焼きたてで味わおう。この日はクロワッサンとオリーブのパン、無農薬で栽培された野菜、そして爽やかな空気を満喫した。

週末となるとなかなかホテルが取りにくい軽井沢、まだ穴場の同ホテルをぜひ一度試してみてほしい。

執筆者プロフィール

山本憲資

Sumally Founder&CEO

1981年生まれ、神戸出身。 広告代理店・雑誌編集者を経て、Sumallyを設立。 スマートフォン収納サービス「サマリーポケット」も好評。 2020年夏から軽井沢に拠点を移し、スマートリモートライフを実践している。音楽、食、舞台、アートなどへの興味が強く、週末には何かしらのインプットを求めて全国各地を飛び回る日々を過ごす。

  • ホテル

軽井沢を拠点に北欧ビンテージを中心とした家具の輸入卸や住宅設計を手がけるほか、人気ベーカリーを営むhalutaによる3室限定のホテル。同社が20年もの間、廃墟となっていたドライブインを改装し、halutaの家具ショールームやレストラン、シェアオフィス、現代アートギャラリーが入居する複合施設「シュテイル(still)」内に2023年9月に新設したものだ。

客室は3部屋のみで、それぞれ「Grand Room」「Terrace」「Studio」という異なるコンセプトが設定されている。ビンテージの北欧家具が主体となった室内で、穏やかな時間が過ごせる。

朝食は、シュテイルの1階にあるハルタベーガリで提供。ベーカリーとしても軽井沢随一の人気を誇るhalutaのパンを焼立ててで味わおう。無農薬で栽培された野菜、そして爽やかな空気を満喫してほしい。

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