武雄温泉新館(Photo:武雄市観光協会)
武雄温泉新館(Photo:武雄市観光協会)
武雄温泉新館(Photo:武雄市観光協会)

武雄温泉でしかできない8のこと

美しすぎる図書館や宿泊できる元遊郭など、魅力たっぷりの街を探索

Mari Hiratsuka
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佐賀にある温泉街、武雄温泉は約1300年もの歴史と魅力にあふれた場所だ。「美人の湯」としても名高く、宮本武蔵やシーボルトなどの偉人たちが身体を休めたことがあるとされる。国指定重要文化財の武雄温泉楼門は必見。そのほかにも、美しすぎる図書館、宿泊可能な元遊郭などの見どころがある。

武雄温泉で非日常な時を過ごすなら御船山楽園ホテルがおすすめ。夏から秋にかけて敷地近くの御船山楽園で大規模な展示も実施する。

ここでは、武雄温泉周辺の名所を紹介する。

竜宮城気分を味わう。

武雄温泉新館・武雄温泉楼門

武雄温泉のシンボルといえば、鮮やかな朱色の武雄温泉楼門と、かつて大衆浴場として使われていた武雄温泉新館だ。設計は、東京駅や日本銀行などを手掛けた佐賀出身の建築家、辰野金吾(たつの ・きんご)である。

辰野の設計図には幻のテーマパーク構想が残されており、楼門が3つ、サウナ方式の蒸し風呂やビリヤード場、陶磁器博物館などが記されていたという。

『千と千尋の神隠し』のモデルスポットにもなったとも言われており、たしかに外観の雰囲気や2階の窓枠や造りは映画のワンシーンを感じられる。

見学は無料なのでぜひ立ち寄ってほしい。

美人の湯に浸かる。

楼門を抜けると、いくつか立ち寄り湯や休憩所がある。美人の湯と言われる武雄温泉の湯は、弱アルカリ性単純泉でトロトロ、ヌルヌルの浴感が特徴だ。

立ち寄り湯として有名なのは、1876年に完成した元湯地元の人も通う昔ながらの大衆浴場で、風呂は「あつ湯」と「ぬる湯」がある(大人450円、子ども220円)。のんびり湯を堪能したいなら、シーボルトが入浴したとされる殿様湯浴槽が全て大理石という豪華な風呂で、源泉かけ流しという点もポイントが高い。こちらは貸し切り専用で(1時間3,800円、平日1時間3,300円)

そのほか、露天風呂とサウナ付きの鷺乃湯、比較的新しい蓮菜湯などがある。

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美しい図書館で休憩する。

武雄市図書館・歴史資料館

2013年にリニューアルし、これまでの公立図書館のイメージを覆し武雄市図書館・歴史資料館武雄市に関する貴重な資料などを収蔵しているので、詳しい歴史を知りたいという人にもおすすめのスポットだ。

図書館には蔦屋書店とカフェが併設され、ワークショップやセミナーなども行われている。電源やWi-Fiも完備し、家の近所にこんな場所があれば、セカンドオフィスとして通いつめそうだ。

大楠からパワーをもらう。

武雄の大楠

朝から心地良いパワーを浴びたいならここへ。樹齢3000年以上で、市の天然記念物に指定されている武雄神社の御神木は、神社から竹林に囲まれた小道を進んだ先にある。

澄んだ空気の中で大木を眺めていると自然の大きな力を感じられるだろう。大地に力強く根を張る大楠の根本の穴には、およそ12畳ほどの広さの空間があり、内部には天神が祀(まつ)られている。

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最高峰のサウナでくつろぐ。

御船山楽園ホテル

革新的なサウナ施設を表彰する「サウナシュラン」で、2021年まで3年連続1位に輝き、殿堂入りを果たした御船山楽園ホテル

2021年には総重量3トンにもなる巨大ストーブがある「薪(まき)サウナ」がオープンし、男湯にも喫茶室が新設されるなど、御船山楽園ホテルは常にベストを探求している。

サウナだけではなく「ホテル自体が楽しい」というのも大きな魅力だ。夕食までの時間はチームラボのアート作品を堪能し、夜には御船山楽園の茶屋で営業するバーで庭園を眺めながら酒を嗜んでみよう。

レトロな物産館で映えを狙う。

武雄温泉物産館

佐賀と西九州の物産や土産をそろえる物産館。新鮮な野菜や、果物などのほか、雑貨、スイーツ、雑貨などがずらりと並ぶ。小腹がすいていたら、セルフサービス式の惣菜料理にも立ち寄ってみよう。

いわゆる「ザ・土産物店」だが、期間限定で断面がかわいすぎるフルーツサンドを販売していたりと流行も取り入れている。2022年4〜6月には、飲む杏仁豆腐 『イケてる杏仁いちごさん』を販売する。

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ちゃんぽんの虜になる。

武雄 北方ちゃんぽん街道

かつて炭鉱の街として栄えた武雄市の北方町では、ボリューム満点のちゃんぽんが働く人々の胃袋を満たしてきた。閉山後もその味は受け継がれ、ちゃんぽんの名店が並ぶ国道34号沿いは、武雄 北方ちゃんぽん街道と呼ばれている。

ちゃんぽんと言えば、野菜と魚介類がトッピングされた長崎発祥のものをイメージする人が多いだろう。実は、佐賀のちゃんぽんは野菜や豚肉が中心で、魚介が入っていないのが大きな特徴なのだ。

国道34号沿いにある店の中でも有名な井手ちゃんぽんは、60年間ずっと変わらず出し続ける一軒。この店のちゃんぽんを食べれば、コクがありながらまろやかなトンコツスープとたっぷり盛られた野菜のとりこになってしまうだろう。

元遊郭旅館に泊まる。

白さぎ荘

かつて遊廓街だった武雄温泉街で、唯一残っている遊廓建築が白さぎ荘だ。現在は旅館として営業しており、宿泊できる。外観からはその全貌は分からないが、中庭や太鼓橋など随所に遊廓時代の名残が感じられる。

少し足を伸ばすなら

武雄市から車まで30分ほど移動すれば、有田焼や波佐見焼の名産地に着く。毎年ゴールデンウィークには陶器市『有田陶器市』『波佐見陶器まつりが開かれ、九州はもちろん、全国から観光客が訪れる。ここでは、対照的な二つのスポットを紹介しよう。

有田焼はドイツの城で学ぶ。

有田ポーセリンパーク

外観に度肝を抜かれるのは、佐賀県西松浦郡にある有田ポーセリンパークだ。決してここはドイツではない。

1993年に香蘭社と地元の有志や企業が出資しオープンしたテーマパークだ。有田町とドレスデンが陶器つながりで姉妹都市となり、 ツヴィンガー宮殿を模した建物を作った。建物のディテールまで見事な造りで、門(写真)をくぐり抜けると広大なバロック庭園が広がる

宮殿の内部に展示しているのは、幕末から明治期に及んだ第2次輸出期の作品の数々。 施設内には、有田焼の体験工房、登り窯、酒造があり、蔵元限定酒を販売している。

何よりこの規模で入場無料である(博物館内部の見学は有料)。

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ヒップな波佐見焼を手に入れる。

ヒロッパ マルヒロ直営店

伝統的な「波佐見焼」を新しい切り口で発信する陶磁器メーカーのマルヒロ。多ジャンルのアーティストとのつながりも深く、最近ではニューヨークとロサンゼルスを拠点とする新進気鋭の制作スタジオA24(映画『ムーン・ライト』『レディー・バード』などで知られる)と異色のコラボレーションも実現させた。

2021年10月にオープンした直営店のヒロッパはぜひ訪れてほしい。敷地面積1200坪の公園にはアーティストがデザインした遊具やスケートボードのランプなどが配置され、建物内部にはキオスク、カフェがある。

食器や雑貨類のほか、ポートランドを拠点にする大麻を使用する女性たちが作成した雑誌『Broccoli MAGAZINE』のオフィシャルグッズも販売している。

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