日本経済新聞社が発行する「Nikkei Asia」とタイムアウト東京がコラボレーションした「UNLOCK THE REAL JAPAN」の第6号がリリースされた。UNLOCK THE REAL JAPANはアジアで活躍するビジネスリーダーに向け、日本の各分野のトップエキスパートのインタビューを中心に、時事問題や旬なテーマにフォーカスした情報を発信するメディアだ。Nikkei Asia誌に同封されるほか、国内の高級ホテルや在日大使館で無料配布されている。
今号では、気候危機と脱炭素化に注力している日本のさまざまな取り組みを紹介。環境省地球環境審議官の小野洋へのインタビューで、持続可能な経済に向けて日本政府がどのような計画を立てているのかを明らかにしている。また、2022年11月にエジプトで開催される「国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)」の重要性についても語ってくれた。
COP27の日本パビリオンで展示される4つの最先端イノベーションのレポートも掲載。電気を使わない放射冷却技術や燃料電池、蓄電池で走る電車など、環境に配慮した先進的な製品とソリューションを一足早くチェックしてほしい。
脱炭素化の特集では、エネルギージャーナリストで「日本再生エネリンク(J-REL)」代表の北村和也が、2030年の日本の再生エネルギー目標の実現可能性を探る。このほか、再生可能エネルギーの地産地消が岩手県の小さな街を活性化させている様子も取材した。
2050年の「ネットゼロ・エミッション」を目指す商船三井副社長の田中利明に話を聞いた。商船三井の最新発明品は、帆を利用して風力で推進力を補助するシステム「ウインドチャレンジャー」だ。温室効果ガス排出量の削減貢献に期待が集まっている。
また2026年には、環境に配慮した木造商業施設としてリニューアルオープンを果たす「渋谷マルイ」についても紹介している。日本の衣料品チェーンの「フリークスストア」が再生可能エネルギー事業に進出する理由と、このグリーンな動きが長野県の地域活動支援に役立っているというレポートも見逃せない。
サステナブルツーリズム企業である自遊人代表取締役兼クリエーティブディレクターである岩佐十良は、地域の環境、食、伝統を守り、地域の持続的な発展を前提とした観光の在り方をいかに実現するかを、インタビューで語った。岩佐は最新のプロジェクトで、新潟県南魚沼にある古民家を美しい旅館「里山十帖 ザ ハウス イズミ(里山十帖 THE HOUSE IZUMI)」に改装している。
一方、環境意識の高い農家・料理人・酒造家である佐々木要太郎は、有機米栽培の技術を取り入れることで、地域と自然にどう貢献しているかについて話す。
巻末には、これからの訪日観光客向けに、日本国内を安全かつ丁寧に旅行するためのエチケットガイドを収録。日本人でも、観光に携わる人はもちろん、長いコロナ禍で忘れかけてしまった旅先のマナーを、今一度思い出すために読んでみては。
今号のライティングと編集は、タイムアウト東京編集部、および運営会社であるORIGINAL Inc.のエディトリアルディレクターであり、スロージャーナリズム誌「Delayed Gratification」のエディターも務めるマーカス・ウェブが担当した。冊子と同内容を掲載したウェブサイトも公開されている。今世の中にで起きていることを、さまざまな目線でひもといた良質な記事の数々をじっくりとチェックしてほしい。