氷:なし
炭酸:強め
レモン:あり(半円)
立石の関所として親しまれている江戸っ子は、開店と同時に席がほぼ埋まってしまう人気店。ほとんどのお客さんが、下町ハイボールを注文する。初めて飲んだ時は、アルコールが強すぎたために2杯目は氷を入れてもらったが、そのまま撃沈したことを覚えている。味はすっきりしていて飲みやすいが、何しろアルコール度数は25度。モツ焼きとの相性は抜群。
写真:小濱晴美
「店ごとに異なる味を開発できる下町ハイボールは発明である」という話を墨田区のもつ焼き屋で聞いて以来、下町ハイボールのことが気になっていた。いまや全国区の知名度があるホッピーと違って、下町ハイボールを関東地区の居酒屋以外で見かけることはまずない。「隅田川から西には渡らせてはいけない」という教えがあるらしい。
発祥についてや、焼酎を炭酸水と一緒に混ぜる「謎のエキス」についても、酒屋や居酒屋で話を聞いてみたが、はっきりとしない。今どき、こういう謎に出会えるのはうれしい。とにかく、その謎のエキスと炭酸と焼酎をその店独自の配合で割り、酸味、甘味、苦味のバランスの違いを楽しむのが下町ハイボールの醍醐味のようだ。
今回は、生粋の飲んべえたちが集まる立石や、いわゆる酎ハイ街道と呼ばれる八広と鐘ヶ淵のエリアを飲み歩き、氷やレモンの有無、炭酸水の量などに注目しつつ、下町ハイボールの飲み比べをしてみた。