日本の人々が平和で友好的なのは今も昔も変わらない
ー大使は1979年から東京で暮らしており、すっかりなじみの街ですね。日本に対する最初の印象はどのようなものでしたか。また、この40年で日本と東京はどのように変わったと思いますか?
そうですね、私は30年以上にわたって日本で仕事をしてきましたし、13年間の大使経験もあります。外交官になる前は、日本の大学に通っていました。初めて訪日した時は、日本のことを何も知りませんでしたね。ちょんまげの侍が刀を持って街を歩いていると思っていたのですが、東京に降り立つと、皆スーツを着てネクタイを締めていました。このイメージは当時、ミクロネシア連邦で流行していたサムライ映画を見た影響かもしれません。
日本は文化的にミクロネシア連邦と似ているところが多く、その点ではあまり驚きは感じませんでした。年長者を敬い、真面目に話を聞き、謙虚な姿勢を尊ぶといった点では同じです。一方で、食べ物には随分と驚いたことを覚えています。初めてみそ汁を見た時、「これを飲めというのか?」と思いましたよ。汁の中の豆腐が私にはせっけんに見えたんです(笑)。
私が来日した頃、日本経済は上向きでした。その後、バブルが崩壊して下降線をたどりましたが、すぐに回復。それは、国民の連帯感や団結力があったからだと思います。日本が危機に直面した時、国民が本当に一丸となっている姿を見て、感動を覚えました。今も昔も変わらないのは、人々が平和で友好的であるということでしょう。いつも歓迎されているように感じますし、東京に引っ越してきた時から自分の家のように感じています。