押上の住宅街にひっそりと佇む一軒家。入り口から緑に覆われた小道を進むと現れるのが、スパイス料理の名店、スパイスカフェだ。古い木造アパートを改装した内装はすべてD.I.Y.。2003年に世界48カ国を旅したというシェフの伊藤一城が、「日本ではまだ知られていない、スパイス料理の魅力を発信したい」という思いでオープンし、スパイスの魅力を伝えてきた。
オープン当初はある種の「入りずらさ」から知る人ぞ知る店として、主に近所の知り合いが訪れていたという。コロナ禍では、保育所などへカレーを無償でデリバリーするなど、ローカルに密着した活動を行ってきた。
ランチは、季節によって変わる5〜7種類のカレーを用意する。カレー1種1,150円、2種1,450円で、副菜4種、ライス、デザート、ドリンクが付く。ディナーは、完全予約制のおまかせコース(5,000円)のみ。絵画のように美しい一皿とスパイスを存分に堪能したい場合はディナーがおすすめだ。
2021年には姉妹店として、日本橋にモダンスリランカ料理店のホッパーズをオープン。2022年夏には、熱海にオーナーの伊藤が監修するレストランが誕生する予定だ。
「ローカルと聞いた時は下町(墨田区)のみと思っていたのですが、東京都全域土だということで大変驚きました。投票いただいたお客様に、感謝の気持ちでいっぱいです。レストラン部門1位に恥じないクオリティーを保ちながら、スパイスやカレーは自由で楽しいものということを引き続き発信していきたいと思います」
ー伊藤一城