「サステナブルと美食」をうたった初のフレンチ
「日本で魚が獲れない、まずいことになっている」というのは飲食業界ではすでに知れ渡っており、シェフたちも危機感を感じている。独自の基準で環境に配慮して獲られた魚を使う店も増えているが、前回書いた「持続可能な漁業で獲られたMSC認証魚を正式に扱っている店」として、原宿のフランス料理店シンシアブルー(Sincere BLUE)が挙げられる。『ミシュラン東京2021』一つ星獲得の高級フレンチ、シンシア(Sincere)のセカンドラインとして、2020年の9月にオープンした。
シンシアブルーの料理は大半をシーフードメニューが占める。そこで使う素材の約半分はMSC認証と、(養殖に対する国際認証の)ASC認証の魚や貝を使っている。冒頭の画像の、甘くないたい焼きは同店の名物料理だ。これもASC認証のマダイを使っている。
シックなフレンチレストランだが、たい焼きをメインに食べ放題の前菜ビュッフェ、デザート付きのフルコース1本で、ドリンク込み(アルコールとノンアルコール、全て飲み放題)で約1万円と衝撃的にリーズナブルな価格設定が大好評だ。小さな子どもも入店可能(土・日曜・祝日のランチ時のみ)なのも女性客や家族連れにうけ、平日も満席になっている(2020年12月の取材時の状況)。